NPO法人 日本健康太極拳協会 山梨県支部

当ブログで活動報告を行なっております。

太極拳の稽古で大事なこと

太極拳経の説明が難しいという声をいただきましたので、私なりの太極拳の解釈をもう少し詳しく説明するつもりですが・・・。

我慢して読んで下さい。(笑)

太極拳は、自分の体の傾向性、思いこみ等を自分と対話しながらバランスが良くなるように修正し、心も身体も健康にしていく神秘的な「意識体操」だと自分なりに解釈しています。

体のほんの数センチ、数ミリの傾きの違いを修正していく事を意識して稽古をするようになってから、私の体が自分でも驚く程変化して来ました。

体の力を抜き、重さに任せきった動きがどんなに気持ちが良いか、みなさんも実感していただきたいと思います。

いかに効率良く動かせるか、自らの体の感覚を問い直し、太極拳の動きを求め自然の動きを探究するのは無常の喜びになると思います。

太極拳がうまくなるには、一式、一式を繰り返し稽古することで太極拳に必要な、「フアンソン」と「立身中正」の姿勢を身につけるのが出発点です。

太極拳の練習以外に、日常生活でゆるめつつ、正しい姿勢で立つ・歩く・作業をするを心がける事で、健康にもなり、太極拳の稽古にも役立ちます。

楊名時師家が、心(意識)が7、動きが3とおっしゃり、私が初心者の頃は「何で心が7もあり、動きが3なんだろう」と7対3の意味が良く理解できませんでした。

しかし、年数を重ねてきますと、その意味がようやく分かるようになって来ます。

太極拳ではまず、正しい姿勢で立つ事が要求されます。

立ち方はあごを自然に引き、頂勁(頂頭懸)で、頭のてっぺんからひっぱられたイメージで直立します。

腹筋、背筋は上下に引き伸ばされた感じでかつゆるめます、百会・会陰を通る中心軸を意識して立ちます。

良い姿勢で立つと体内に自然の「ゆらぎ」があり、(緊張して固くなるとこのゆらぎが感じられません)「ゆらぎ」は体がふらついているのではなく、十分な安定感の中でゆらいでいます。

一見止まっているようで動いているので、いつでも動く事が出来る「静中に動あり」。

楊名時師家は、この立つ事の大切さを理解する意味で、立禅を稽古の最初の方に持って来ています。

左に行くのは右に行くため、上げるのは下げるため等、前回の陰陽太極で書きましたとおり「開合」「虚実」など、相反するものが相助け合い、同時に生かす事が陰陽思想です。

動と静・虚と実・剛と柔など対立・矛盾する両者ですが、対立・矛盾の中に整合性・合理性があることを認識し、太極拳の動きの中で両立・共存させていくということを理解し稽古をしていくことが大切です。

「虚」と「実」の運動自体も矛盾した要素を持ちますが、全体の動作から見ますと、おおよそ動作の定式に向かう過程を「実」とし、定式から次の動作に向かう過程を「虚」とします。

つまり「実」の動作や姿勢では、力を沈ませ充実させ、「虚」の動作やその過程では、軽くして含みを持たせるようにすると良いかと思います。

太極拳をする時には、気持ちを落ち着けると同時に楽にし、全身をリラックスさせ、余分な力を使わない。

また頭から一切の雑念をできる限り排除することです。つまり、どのような動作や姿勢の時も、心の中を常に安定状態に保つ。

このことによって気血の運行をよくし、脳(あたま)にとっては稽古であると同時に休息になります。

この事が、マインドフルネスと繋がって来ます。

拳式や動作のつなぎの過程が中断したり途切れたりせずに前後につながっていくことが、大切です。

その動作は決して滞ることはありません。

一動全動と言う言葉がありますが、身体の一部が動けば、全身各部で動かない部分はない。

たとえば、定式動作からゆるめて次の動作に移行する時、まず腰をゆるめ、そのゆるみを手足の指先に到達させ、全身の筋肉をゆるめ、身体を動かしていくようにする。

また、野馬分鬃の定式から次の動作に移行していく時、後ろ足を曲げ身体を後ろに下げ始めているときに、手(腕)の動きが止まったままは不可です。この時、手(腕)に大きな変動はありませんが、「緩めていく」という意味で「動いている」のです。

上下相随(手足をばらばらに動かさない)

は、楊名時太極拳の稽古要諦に入っていますが、手の位置を定めた後に足の位置を定めるのではなく、手と足の動作と視線の変化を互いに調和させ、方向と位置の変化につれて全身の各部が止まることなく動き続け、動作の定式にいたる時、身体全体の動きが実の頂点に達して型を決めることが大切です

たとえば、私も長い間錯覚していましたが、野馬分鬃の動作で、弓歩が先に完成し、手がまだ動いているのは不可になります『協調完整』。

稽古をするうえで太極拳は意識と動作、そして呼吸、眼法の一致した運動であると言う事を頭に入れて下さい。

以上の事を知った上で、それぞれの教室の先生の指導を受けることで、みなさんの太極拳が、変わってくると思います。

文章では限界があると思いますますので、笠島三枝子副支部長の、YouTube太極拳動画)を是非、参考にしてみて下さい。

https://youtu.be/fZLrADAntnE

是非とも、この奥の深い太極拳を好きになってください。

あなたが、変わります。(笑)

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